「教師をやめたい…」

 

 誰もが一人でつらい気持ちを抱え、相談できる相手もいないのが現実。

あなたの上司はあなたに理解を示し、相談に乗ってくれそうですか?

 

文部科学省の調査では、大変残念な結果が出ています。

また、OECDのTALIS(国際教員指導環境調査)も深刻な結果を示しました。

※日本では毎年60人ほどの先生方が仕事を理由に、また鬱病等が原因で自殺します。
 精神疾患による休職教員数は平成19年以降、毎年5,000人以上です。(公立小中高)

  

「平成18年以降、60%台を維持している」

 

何の数値かお分かりになりますか?

これは教員の病気休職者数に占める精神疾患の割合です。

(文部科学省発表資料)

 

平成20年以降、病気による休職教員は毎年8,000人台半ば。

そのうち精神疾患による休職は毎年約5,000人を数えます。

(公立の小・中・高校のみ/高校を外すと比率は跳ね上がる)

残念ながら令和4年度には6,500人を数えることとなりました。

 

 

年齢では40歳代、学校種別では中学校と特別支援学校で比率が高くなっています。

また、条件附採用期間に精神疾患を理由として離職する教員も多いです。

病気を理由とする依願退職者のうち、驚くべきことに約9割を占めています。

 

 

発症のタイミングは着任後2年以内が目立ちます。

精神疾患による休職教員のおよそ半分が2年以内に休職しているのです。

ちなみに復職して1年以内に再発した教員の比率は約30.3%となっています。

 

教師の無力感・自己否定感は平成10年代から高まりつつありました。

当初はモンスターペアレント問題が多く引き合いに出されたものです。

平成20年代に入ってからは、多忙化と業務の複雑化が取り沙汰されています。

 

モンスターペアレント対策はクレーム対応研修などでかなり充実してきました。

しかし多忙化と業務の複雑化については決定打となる有効策が見られません。

 

小学校では72.9%、中学校では86.9%の教員が残業時間60時間以上/月。

 

家族との団欒や自己研鑽、趣味や休暇の時間が作れない・・・

児童生徒との関わりに充てる時間さえ奪われ、膨大な雑務に埋没しています。

 

 

平成25年を例に見ると、病気を苦に自殺した教員が52名もいました。

そのうち身体の病気を苦にしたケースは11件だけでした。

なんと35件ものケースで鬱病が原因となっていたのです。

(ほか、統合失調症2件、他の精神疾患3件、身体障害1件)

  

 

 

加えて日本の教師の自己肯定感が悪化している現状が数値として表れました。

冒頭で触れたOECD国際教員指導環境調査(TALIS)2018の図表をお示しします。

心身を追い詰めながら働いても報われにくい教育界の現実が見えてきます。

(以下、国立教育政策研究所の資料より抜粋)

 

 

このグラフからわかること。

それは本業以外の要素によって本業に集中する時間を奪われていることです。

結果的に子どもたちとのかかわりが希薄になり、罪悪感を持つ教師が増えています。

 

 

政府の働き方改革が形骸的な対応であることを示唆する結果となっています。

おそらく「隠れ残業」を助長する方向に教育界は進んでいくでしょう。

問題の本質に気付いた時には手遅れとなっている可能性が危惧されます。

 

 

教師には、児童生徒・保護者からの理解と感謝を受け取れることが生きていく原資。

しかしその最も重要な人々とかかわる時間を奪われ、価値提供しにくくなっています。

 

ひとたび精神疾患に罹患すると、治療には何年もの月日と労力がかかります。

「限界を越えている」と思える時は、一時退避も視野に入れなければなりません。

 

その気になれば、教職にはいつでも復帰できます。

しかし、失った人生を取り戻すことは、どんなに優秀な教師でも絶対にできません。

 

今後も教師を続けていきたいのなら、それなりの対策と自己防衛策が必要です。

もし転職をめざすなら、教育界の知識だけではライバルたちに太刀打ちができません。

教職・転職・独立起業、そしてNPOも設立運営してきた私がその方策をご提供します。

 

※文部科学省の資料から
※文部科学省の資料から

Near Future Education Transform Institute